Archive for November 2007

25 November

融けて なくなる


私は、11月の穏やかな空が大好きです。

晴れた日の太陽は、
部屋の奥まで差し込んで、
まろやかな陽だまりの中、
ぼんやりと、
光の肌触りにまどろむのが、大好きです。


海の見える窓だったら最高です。

水平線の右手には、
箱根から伊豆へと、山々が蒼く連なって、
白い雲たちが、
そこからちぎれるように流れてきては、
ゆっくりと、海の上で消えてゆく。

 「あぁ、そうか、、
  雲って、最後は消えてゆくんだ、、」

まるで、雲たちが、
どこまで遠くへ流れて行けるか、
穏やかな光と風を楽しんでいるような風景。

 「そういえば、
  こんなふうに雲を眺めることなんて、
  長い間、忘れていた、、」


思えば、
日々の暮らしで繰り返しているのは、
氷の塊を、
凍ったまま飲み込むような作業なのかも知れません。

塊は、
喉につかえ、胸につかえ、
お腹の底に沈殿して行く。
塊が、
いつかは解けることすら忘れて、
塊は、
意識の底に堆積して行く。

 「もう少し、穏やかな時間があれば、
  塊の大きさや冷たさを、
  味わうことだってできるのに、、」


そんなことを思いながら、
11月の雲の行方を、丁寧に見届けるのが、
私は好きです。


17:50:00 | milkyshadows | |

18 November

光を描く


クリエーターの端くれとして、
「クリエーション」ということの使命について考えることがあります。


何かをつくろうとする時、
何か事を成そうとする時、
一番最初のステップを促す言葉があるとしたら、
それは、こんな問いかけなのだろうと思います。

 「ソコカラ、ナニガ、ミエル?」

目を閉じて、
呼吸を整え、
心を魂の中心に置いて、
再びそっとまぶたを開いた時に、
そこに映される光は、いったいどんな輝きなのでしょう。

 透明な瞳に映される、ありのままの光。

 この宇宙を、
 本当に直視するのだとしたら、
 私がそこで見るものは、光の純粋だけではなくて、
 闇や混沌なのかも知れません。

 「ソコカラ、ナニガ、ミエル?」


はたして、闇を前にした時に、
クリエーションには何ができるのでしょう?

 そこに見えるのが光だろうと闇だろうと構わない。
 けれど、
 クリエーションが放射する力を信じるのなら、
 闇に飲まれる退廃よりも、闇を見つめる勇気にこそフォーカスすべきなのだと思う。

そもそも、
この宇宙は闇から生まれたのですから、
光は闇の子、闇は光の母。
そんな過不足のない宇宙の生々流転を「カオス」と取るか「シンフォニー」と取るか、
その受け止め方の違いこそが、私たちそれぞれの魂のありようなのでしょう。
 
 「勇気」というのは眼を開く力だと思う。 
 真っ直ぐに、闇や混沌を見据える力。
 そこから光が放たれ宇宙が始まったのだとすれば、
 「勇気」こそ魂の本質なのかも知れない、と思う。


勇気を育むこと。
それがクリエーションの使命なのだとすれば、
そのための一番最初のステップは、
透明な瞳でありのままの光を映す、ということなのではないでしょうか。


17:50:00 | milkyshadows | |

11 November

美容師とヨガの量子論的関係

私は、
ヨガのクラスに通うようになってから5年ほど経ちますが、
体の感覚に耳を澄ませていると、
本当にたくさんのことに気づいていきます。

日々、仕事としてヘアカットをしていて、
「美容師って何だろう?」と自問する中で、
大きなヒントになる出逢いや学びや気づきはいくつもありましたが、
間違いなく、ヨガは私にとって大きなキッカケでした。

それは、
観念だけではなくて、存在丸ごとで体験する、という意味で、
ものごとへの認識や接し方が、驚くほど立体的になったように感じます。

 脱力による、重力への降伏と自立。
 中心軸を知ることによる、求心と解放。
 呼吸と瞑想による、自己と他者の融合と対比。

そんな訓練は、ヘアカットという作業を
単にファッションだとか身だしなみだとか造形だとかという次元を超越した方向へと導いてくれたように思います。

フォルムやウェイトに対する感覚の進化、
骨格や毛流へのアプローチの変化、
それは、
生体オーラの表現器官としての髪という視点へと、展開して行ったのです。
つまり、
私は美容師として、「美しい」ということをテーマに生業としていますが、
どうも、「美しい」ということは「美意識」という次元だけでは語り尽くせないように感じ始めたのです。


この番組でお伝えして行こうとしていることは、
そんな視点から始まりました。


「美しい」ということは、
私たちの外側にあるのではなくて、
内側にあるのでもなくて、
私たち自身が、
「美しい」という大いなるものの一部分なのではないでしょうか。。



17:50:00 | milkyshadows | |