Archive for 23 December 2007

23 December

平「和」食 フロムバビロン 

artist file "tanebito" [ 2007 special selection 1/2 ] 
白澤 秀樹 さん & 吉原 亜希 さん(食と暮らしの研究室 / TAO Lab

「食」という字を見ていただければ、「人が良くなる」と書くんです
生き生きと豊かに生きる大きなポイントの一つだと思います。


___ 「食」という切り口で、いろんなことが見えてきますね。

(tra)
 深いですねぇ。
 「食」という字を見ていただければ、「人が良くなる」と書くんです。それで全てが解決するとは思わないけど、少なくとも、生き生きと豊かに生きる大きなポイントの一つだと思います。
 三度三度のものですし、これが本当に美味しくてヘルシーだったら、これは楽しいですよ。これだけチョイスできる時代は、今までの人類始まって以来ですし、もちろんマイナスの部分もありますが、毎日三回楽しめますからね。

(aki)
 原材料を見るっていうのも、一つの手段。
 植物性とか無添加とか大きく書いてあっても、裏を見るとねアミノ酸って書いてあって、すごくトリッキーなので、大きな表示に惑わされないように注意しましょう!

(tra)
 同じ醤油が二つあるからね。表示が適切に書かれてるかどうかも、問題としてありますね。
 磯部先生という方のおっしゃった『良い食品の4条件』というのがあって、僕はこれが一番の核になるべき物だと思っているんです。
 一つは「 安全であること」。もう一つは「ゴマカシのないこと」。それから「味のよいこと」。最後に「品質に応じた妥当な価格」。
 この四つがね、風土を超えて、本当に食べ物の4条件だと思うんです。 特に、送り手であるレストランビジネスや食品工場は、一番考えなくちゃいけない当たり前のことなんです。
 だけど、この四つを全部加味した食べ物って、あんまり無いんですね。例えば健康食品は妙に高かったり、あるいは不味いかったり(笑)
 食べ物だから、「美味しい」というのが大前提で、残りの三つがそれにくっついてくれば、一番最高だと思う。

___手軽に選べたら良いですね。

(tra)
 これからは増えてくると思いますよ。
 食べ物の世界に限らず大きく二極化してゆく中で、これから益々ファーストフードはある種の必要性を増すでしょうけど、反面、それとバランスとる為のことも益々増えてくると思うし、又そのために自分たちも仕事をしているんです。
 そういう意味では、TVで本当に正しい情報が流れているとは限らないですからね。
 ヨーグルトと味噌汁を比べたら、味噌汁の方を日本の人達には薦めたいですね。日本は発酵文化ですから、日常の中でそういうものを自然に食べれるようになってるんです。漬け物もそうです。
 発酵食品は、腸に何らかの形でプラスですからね。

(aki)
 腸で血液はがつくられてるんです。現代医学だと脊髄でつくるって言うけど、腸が「肝心要」のポイントなんですよね。
 あと、腹筋。椅子の生活や電化製品の普及で、日本人は正座をしなくなったし、床を拭かなくなってきた。その筋肉の弱まりと、お腹の「丹田」、 女の人だったら生理不順とか流産とかは関係してる。
 便秘してるとボーッとするし、腸は脳と繋がってる。トイレにスッキリ行けた時って、頭もスッキリするでしょ? 腸がしっかりしてると、頭がまわる。

___本当に繋がっていることを実感します。

(aki)
 次から次へ繋がっていくから、本当に面白いよね。食べてからの繋がりと、食べる前の物の繋がりとか。

(tra)
 自分の体験から言うと、僕、便秘体質だったんですよ。昔はね、ジャンクフード最高だと思ってましたからね。(笑)
 両極端やったからよく分かるんですけど、植物性主体の食生活だと、便秘はあっという間に治りますね。全然違う!
 便秘の時にはね、自分が便秘だって分からなかったんですよ。前は、一週間ぐらい出なくてもカッコイイと思ってましたからね。(爆笑)
 「オマエ、そんなの時間の無駄!」みたいな。(笑)

___現代生活はスピードや効率が要求されるから、ついつい食事もそうなってしまうんでしょうね。

(tra)
 そうですね。それがまた一つの美徳ですものね。
 音楽だって早いものが流行ってるように、今のリズムはやっぱり確かに早いんだろうけど、 生き物としては、本来の自分達には早すぎるところが確かにあるでしょうね。そのギャップが、いろいろな意味で身体に表れたり、精神に表れたり、歪みがストレスとして表れるんだと思います。

アマゾンでは、熱帯雨林を燃やして、
地平線の遥かかなたまで大豆畑になってるんです。



___「食」という切り口は、間口が広いですね。

(tra)
 日々、三度三度のものですからね。
 食べ物がこれだけ豊かになったのは、人類の歴史でもそんなに古いことではないんですね。
ですから、その時代に生きてる僕らは幸せなんです。
 だけど反面、便利が行き過ぎて、生きる為のエネルギーという観点でみると、今の食の便利さがかえってマイナスになってる。それが、僕らにとって、伝えたい一つのテーマなんです。

___その辺が、大きく言えば環境問題に繋がってくる。。

(tra)
 そうですね。
 食べ物って、身体の健康状態や体内環境にも関係してくるし、もちろん心にも関係してくる。その食べ物が何処からきたのかと外側に考えると、特に日本は今、食卓に並ぶ食べ物の60〜70%は海外ですからね。
 じゃあ「海外で作られたものが日本で作るものより安いって、どうなってるの?」って。
 リアルに言えば、今、大豆がスゴイんです。ブラジルの熱帯雨林を燃やして、地平線の遥かかなたまで、一面大豆畑になってるんですよ!
 ちょっと前までは、牛肉がそういう形だったんですが、今はそれが大豆まで来ている。日本の食文化は大豆なのですが、自給率は5%を切っている。そうすると、ベジタリアンだと言っても、熱帯雨林がなくなってしまうことに関係しちゃってる。
 「じゃあどうしたら良いの?」ということになりますが、それを知っているのと知らないのとでは違うと思う。

___ その問題に対しては、何かアクションは起きているのですか?

(tra)
 アマゾンでは、熱帯雨林を自治区みたいにして守る運動が起きてるんです。これ以上大豆畑にならないように、現地の方やNPOの方達が、今残ってる物をまず残そうというスタンスで取り組み始めている。
 だけど、今の段階ではなかなか木を植えることまでは出来ないですね。将来には、その大豆畑を何らかの形で戻すようなことも出来てくるとは思うんですけど。

___ 世界的に人口が爆発的に増えている中で、どこかが生産地としての役割を担う必要がありますよね?

(tra)
 これはあくまでも数字としての考え方ですが、今、世界では1/3くらいの人が、悲しい話ではありますが、飢えていて、かたや先進国では食べ物の1/3くらいは捨てられている。 すると単純に数字だけ見れば、捨ててる食べ物が彼らのところに行けば、皆が食べられる。
 もちろん、政治やら経済やらいろんなものが絡んでくるので簡単ではないですが、基本的にはこの地球に今あるシステムを上手く使えば、まだまだ皆が食べていけるだけの食べ物は出来ると思います。
 分配のシステムを確立すれば、充分解決できると思うんです。

例えば、冷蔵庫をいっぱいにしない。
食材は、すべて使い切っちゃう。
美味しいし環境にも良いし、たくさんラッキー♪


___そういう事を知ったうえで、何かキッチンで出来るアクションがあるでしょうか?

(aki)
 例えば、冷蔵庫をいっぱいにしない。
 無くなるまで買い物をしない。買い置きをしないで、使い切る。そうすれば、新鮮なものを買えるし。
 あと、一番良いのは自分たちで食べるものは、少しでも作れるようにする。

(tra)
 食材は、すべて使い切っちゃう。「一物全体」とも言いますけど。

(aki)
うん。例えば巨峰とかって、皮と実の間が一番美味しいって聞いたことないですか?それって、
人参にも大根にも言えるし、皮との間に一番旨さが詰まってるんです。
 それ丸ごとで人参だから、それを使うことによって旨みもでるし、ゴミもないし、剥く手間もないし、料理の下準備が面倒じゃなくなる。
 皮剥かないって 、最初は「え?」と思うけど、すごく美味しいし、楽ですよね。

___野菜の下ごしらえって、結構手間がかかりますものね。

(aki)
 お米にしても、玄米を食べだしてからシンプルになった。
 玄米ってあんまり洗わないで良いんですよ。白米は濁りがなくなるまでちゃんと洗わないと糠臭くなる、って言われる。でも玄米って、2〜3度お水を替えるぐらいでOK♪。
 玄米でも、発芽玄米を自分で作り出してからは、もう全く洗わないで良い。バットに玄米を入れて、水を張って毎日取り替えるだけ。それでもう、取り替えてるのが洗ってる状態だから、あとは炊くだけ!
 美味しいし環境にも良いし、一石二鳥どころか、たくさんラッキー♪

(tra)
 日々のものだから、楽しさと共に楽さ加減は絶対必要ですからね。

___続けられないと、意味が無いですものね。

(tra)
 植物性の料理は、一見手間がかかって大変に思われがちなんだけど、実はどんどん楽になってるんですよね。

(aki)
調理も下ごしらえも、シンプルなのが一番。美味しいし!

(tra)
だからオーガニックっていうのが大事になってくるんですよね。丸ごと食べるから。
だけど今の時代、百点満点はなかなか難しいですからね。ベストを求め過ぎてしまっては、良いもの食べても楽しそうじゃない。

(aki)
 いくらオーガニックだからと言って、萎れたオーガニックは嫌だしね。新鮮な方がいい。

(tra)
 僕は昔、自然食品屋もやっていて、北海道や九州から無農薬のオーガニック野菜を仕入れてたことがあるけど、結果として三重苦ぐらいになっちゃうのね。どういうことか言うと、一つは、採ってから日にちが経つので、葉物はやっぱり萎れちゃう。それに、ただでさえコストが高いうえに送料が加わる。
 農薬に関しては、お百姓さんが一番分かってるんですよ。だけど、流通とかいろんな仕組みが、結局使わざるを得ない。買う人たちも、頭では分かっていても、スーパーに行けば、萎れてたりいびつではない、見た目がキレイな方を手に取っちゃう。それはお百姓さんが悪い訳じゃなくて、今のシステムが問題なんです。
 だから僕らが勧めたいのは、やっぱり生鮮品は近場のもので揃えるのが一番賢い。値段も安いし、新鮮だし。
 小田原とかこの辺は、有り難いことに、お百姓さんがまだいらっしゃるじゃないですか。ですから、近くにいるお百姓さんたちが自分たち用でつくってますから作っているものを分けてもらう ようにするのがひとつのコツですね。農薬的なことも、ある程度コントロールしてるでしょうし。
 100点満点は無理にしても、それぐらいが丁度良い加減じゃないですかね。




西麻布「ネオ精進とグッドミュージック」隠れ家レストランのご案内

【Tokyo Grateful Dead】ネオ精進とグッドミュージック
 > へるしー / なごむ / つどう  
 > 2008.1.末日までの期間限定  
 > 完全予約制 / 1日9名様限定  
 > 食 
   如天甘露味コース(しっかり食べたい方) 8800円   
   究意常楽コース(お酒も楽しみたい方) 4800円   
   おつまみ 600円〜   
 > 飲 
   シャンパン・純米吟醸酒・発芽玄米酒・焼酎   
   地麦酒・梅酒 生ワイン・発酵ジュース   
   フレッシュジュース・サイダー・お茶 等   
 > 音 
   ホットなサウンドとゆるむ音色   
 > 住所
   東京都港区西麻布3-17-34-B1   
 > more info
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18:00:00 | milkyshadows | |

クリスマスの夢


クリスマスの朝、
長く逢えない人の夢をみました。


 遠い 再会。
 頑なだったのは、 私の方だったのかも知れない。
 
 歳月の流れは、ふたりを戸惑わせたけれど、
 彼は、穏やかに コーヒーをいれて、あたりまえに微笑んでくれた。


 「また、会えたね」
 
 埋めることの出来ない時間をこえて、
 透明な魂と、最小限の言葉で、
 彼は私を赦してくれた。
 
 「また会おう」と言って、
 私たちは別れた。
 最後に見たのは、変わらない彼の後ろ姿。


クリスマスの朝、
長く逢えない人の夢をみました。

 もう何年も会えないきりだけど、
 今年も遠くから、
 感謝と祝福と、愛を贈ります。  



17:50:00 | milkyshadows | |