Complete text -- "真剣に生きていれば、「エコ」は勝手について来るんです。"

26 August

真剣に生きていれば、「エコ」は勝手について来るんです。

artist file "tanebito" #05 [4/4] 
堀 直也さん(サーファー / Eco Surfer代表)

僕は「人」から多くを学んでいます。
そこには温度もあるし、全部リアルに伝わるから。


___ 『ES』というフリーマガジンを発行して、啓蒙活動をなさっています。とてもセンスの良い編集ですね。

 ありがとうございます。
 年に3回の発行で、7月のvol.9でちょうど3年になります。

___こうした活動をオーガナイズするのは大変なことですが、どうやってネットワークを築いてきたのですか?

 最初は知り合いを集めたんです。26歳の時でしたから、人脈なんて知れてますから。
 時間の無い中、飲み会のような形で集まってもらって「地域の新聞のような物を作ろうと思っている」と言って、15人くらいでミーティングを開いたんです。グラフィックのデザイナーがその中にいたり、自分は何が出来るだろうと考える人がいたりして、人に頼むことと自分でやらなくちゃいけないことを見極めて、vol.1は16ページでCDサイズのものを3000部作りました。

___資金はどうなさったんですか?

 知合いに頼んで広告主さんを探して、「紙面に広告を載せるから」と広告代を集めたんです。「これでウチの売上げが伸びるとは思ってないけど、ナオヤにだったら払ってやる。」という感じでした。
 それはそうだと思います。3000部では宣伝効果も知れてるし、実績もないし。
 でも、そこに投資してくれる方が徐々に増えて、今では10,000部の発行で、先方から問合せを頂くようになってきました。

___そういう方々は、ナオヤさんのどんな所を買ってくれたんでしょう?

 ただ単に、テンションが高くて妙に真直ぐだったからじゃないでしょうか。(笑)
 後は、こういった活動をサポートすることによって、付加価値を感じる方もいるかも知れないですね。湘南に住んで海にお世話になっている、その海に恩返しをしたいと思っている人が、この街には多いんです。

___ナオヤさんにとっては、何がモチベーションなのでしょう?

 シンプルに、こういうことが好きなんだと思います。
 海が好き、サーフィンが好き、というよりも「人」が好きなんです。寂しがり屋だし。(笑)
 いろいろな人と知り合いたいし、人と話すことが好きなんです。人と話すことで、自分が成長できる。本を読んだり勉強したりというよりも、僕は「人」から多くを学んでいます。目と目を見て話せば、相手のことも一歩深く知ることが出来る。そこには温度もあるし、全部リアルに伝わるから。
 『ES』の活動やフリーマガジンが繋ぎ役になって、いろいろな人と出逢える。その出逢いをそこでキチンと消化すれば、それだけ自分も人として大きくなっていくと思うんです。
 どうせ生きるならカッコ良く生きたいし、自分らしく生きたい。そういう自分が好きなんです。

真剣に生きていれば、「エコ」は勝手について来るんです。


___これからのビジョンは、何かイメージがありますか?

 やっぱり、地域に貢献したいですね。
 愛情いっぱいに育ててくれた両親に恩返ししたいし、海にも感謝したい。広告を出してサポートしてくれた方々にも恩返しをしたい。そうすると、大きなことを言うよりも「地域」なんです。
 地域に根を張って、地域が潤うようなことをどんどん仕掛けて行きたいと思っています。それはもちろん「エコ」であるし、ずっと継続できるシステムであって、「自然」も喜んでくれることをやりたい。
 良いバイブを届けて行きたいですね。

___伝え手として、どんなことを伝えていきたいですか?

 「LIFE」なんだと思います。「生きる」。
 「森羅万象」という言葉がとても好きで、自然の中でサーフィンをやっていると、全部が繋がっていることに気づくんです。今ココに在るものすべてが必要なんだ、ということが根底にありますね。英語で言うと、「be there」。
 自分なりの生き様を、自分なりに伝えて行きたい。

___そのことのキーワードとして「エコ」がある。

 そうですね。

___ナオヤさんにとって、「エコ」って何ですか?

 今こういう時代だから盛んに叫ばれていますが、海で真剣にサーフィンしてる人たちは、そんなことみんな知っています。ゴミがあれば悲しいから、ゴミは捨てなくなるし、それを人に伝えたくなる。
 要するに、「おまけ」ですね。

___「おまけ」?

 真剣に生きていれば、「エコ」は勝手について来るんです。
 真剣に生活をしていれば、「これ、もう一回使おう」とか「節約しよう」と思う。真剣に暮らしていれば、「これが流れて海へ行って、海で俺たち泳いで、魚を食べて、、、」って、真剣に考えて理解しようとする。
 今使っている洗剤がヤバイこと、今食べている魚がどこの産地で何なのか分からなくてヤバイこと、本当は原子力がヤバイこと。。。
 『エコサーファー』も、サーフィンを真剣にやっていれば、「エコ」はおまけでついて来る。自分が本当に好きで楽しんでやっているということが何かのキッカケで相手に伝われば、その瞬間に「オレも入れて!」ってなりますよね。
 誰でもそうだと思うんです。人生をenjoyしてる人でなければ付いて行けないし、一緒に遊ぼうとは思わないですよね。(笑)


18:00:00 | milkyshadows | |
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