Complete text -- "風の強い日に"

03 February

風の強い日に


風の強い日に、 
ベランダでいちばん元気だった鉢が萎れてしまった。

 恐るべし自然の力。
 生も死も一瞬の出来事。
 
鉢から崩れ落ちて、コンクリートの上にうなだれる緑を見ていたら、
つい、「自然の力」と「現代文明」について考え込んでしまった。

 どうして私たちは街の暮らしに憧れるのだろう?
 どうして私たちは自然を飼いならそうとしてきたのだろう?
 
 文明を批判する訳ではなく、
 私たちは
 「自然」に対してトラウマがあるのかも知れない。
 もしかしたら、
 カオスな「自然」に疲れてしまったのかも知れない。
 生々流転、諸行無常を、
 不確かなものとして諦めてしまったのかも知れない。
 
たしかに「自然」は「現代文明」よりノロマだし不確かだから、
人は一生のうちに、物語の結末までは見せてもらえない。
 
 つまり
 急ぎすぎなのかも知れない。

 私たちは、
 待つこと を、学ぶべきなのかも知れない。

時間をください。

 もう少し 世界を信じてみよう。
 もう少し 自分を赦してみよう。

 ひとつひとつが、もしも5ミリづつズレたら、世界は全く違う顔をする。

世界を変えるのには、
いったいどれほどの時間が必要なのだろう?

 それはもしかしたら、
 本当は、一瞬なのかも知れない。
motoka


17:50:00 | milkyshadows | |
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