Complete text -- "トイレの無い家"

10 February

トイレの無い家


「トイレのない家」という表現をご存知でしょうか?
今の日本の、原子力によるエネルギー政策のことを喩えた言い方なんだそうです。

 現在、日本では、
 私たちが消費する電力の約1/3が、原子力による発電でまかなわれているそうです。
 この、原子力による発電は、
 ウラン鉱山から天然ウランが掘り出されるところから始まります。
 天然ウランを濃縮、加工して、燃料を作り、
 これを原子炉で燃やしてエネルギーを取り出します。
 ウランを燃やすと、どうしても燃え残りが出ます。これを使用済み燃料といいます。
 
 この燃え残りをリサイクルすると、燃え残ったウランと新しくできたプルトニウムがとりだされ、
 どうにもならない本当のごみが残ります。残ったごみを高レベル放射性廃棄物といいます。
 
 燃え残りのウランは、もう一度燃やされますが、問題はプルトニウムです。
 プルトニウムは高速増殖炉という特別の原子炉で燃やされると、燃やした以上のプルトニウムが取り出されるのだそうです。
 つまり燃やした燃料以上の燃料が生産される訳です。
 これが実現すれば、エネルギーの心配は要らなくなる。。
〜 河野太郎「ごまめの歯ぎしり ハードコピー版」第11号
『トイレの無い家(原子力エネルギー政策)〜1999.11〜』より引用


そうして、青森県六ヶ所村に建設されたのが、
ドキュメンタリー映画『六ヶ所村ラプソディー』でテーマになっている使用済核燃料再処理施設です。

 1985年4月、青森県と六ケ所村が施設の受け入れを表明。
 1993年4月、着工。
 総工費約2兆2000億円をかけて、
 「トイレのない家」に、トイレが建設されたのです。

 現在、
 六ヶ所村の再処理施設は、間もなく始まる本格的な操業に向けて、
 試験運転を行っているところです。
 

さて、
ようやくトイレが完成されたとして、
そこから先は、どんなストーリーが用意されているのでしょう?
 
 家庭からの排水は、
 下水処理施設を通して川に流され、環境へと戻されて行きます。
 使用済み核燃料も、
 再処理施設から、放射性物質が海や空へと排出されて行きます。
 
 放出される放射性物質の量は、
 1日で、原子力発電所が放出する量の1年分なのだそうです!
 そして、その核廃棄物は、
 私たちにとって永遠の時間、放射能を出し続ける。

 使用済み核燃料は、どこに保管するのか?
 放射性廃棄物は、結局、どこへ捨てるのか?
 あてにしていた高速増殖炉の開発も、まったく目処が立っていません。


私たちは、この問題に、どんなふうに向き合えば良いのでしょう?

小田原から遠くはなれた北の村の出来事だからと、
他人話では済まされません。
私たちがこうして消費しているエネルギーの、後始末の話なのです。




【上映日】
2月23日(土)

【上映スケジュール】
13:30 〜 15:30 第一回上映
15:40 〜 16:00 ミニコンサート
16:15 〜 18:00 非電化製品 発明家 / 藤村靖之氏による講演会
18:15 〜 20:15 第二回上映

【会場】
小田原 川東タウンセンター マロニエ
小田原市中里273-6   0465-47-1515

【料金】
前売:800円
当日:1000円(学割500円)

【問合せ】
『六ヶ所村ラプソディー』あしがら上映会実行委員
ちえのわハウス 0465-49-6045
志村 俊介 090-6190-7694

motoka


17:50:00 | milkyshadows | |
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