Complete text -- "『あしがら農の会』"

15 April

『あしがら農の会』

journal & report [1/2] 
Junkan農園 / 中田 早保 さん


___私、毎週中田さんに、新鮮な野菜を届けて頂いていて、本当においしくいただいているんですよ!

 ありがとうございます。

___配達はどのくらいの件数を回っていらっしゃるんですか?

 週に2日、火曜と金曜に30件くらい回っています。袋の数で100とか150くらい、軽トラいっぱいです。

___初めて届けていただいた時に、葉物野菜を湯がいたら、鍋から上がる湯気が土の香りがしたんですよ。それがとても懐かしい香りがした♪ 大地の匂いと言うか。。
 無農薬で栽培なさっているそうですが、やはり何かとご苦労が大きいですか?


 農業を始めたときから無農薬・無化学肥料だったので、他との比較があまり出来ないのですが、土が出来てしまえば虫の心配はあまりないです。今はまだ始めて間もないので、色々ありますが。

___「土が出来る」って?

 何でも種を撒いたら出来る状態。ミネラルだと思うんですけど。
 例えば、落ち葉がずっと降り積もってる森の中の土みたいな場所は、種を撒いても虫が出なくて、すごく綺麗な色で穴一つ出来ないんです。

___化学肥料を使ってしまうとそうならない?

 と思います。よく家庭菜園とかで、石灰とか化学肥料とかたくさん撒かれてたりするんですけど、そういう所の土ってガチガチで、ひび割れなんかもしてるような所もあって。
 そういう状態とはぜんぜん違うので、例えば化学肥料をやめて落ち葉とかいろんな有機物を入れ始めると、同じ場所だったのに土が10cm上がるって言う人もいるくらい、土の中のものが動き始めるって言われてます。

___すごいことですね! そういう状態までもっていくのにどのくらいかかるんですか?

 元の状態がどんな感じかで変わるんですけど、草を刈って置いていた場所のようなところは、耕したら直ぐ良い野菜が出来るんですけど、もともと化学肥料を使っていたような場所だと、たぶん5年くらいかかるんじゃないですかね。

___その5年間は、待っていれば戻るものなんですか?

 例えば麦とかとうもろこしとか、すごく深いところまで根を張ってぐーんと伸びて土の中まで有機物を提供してくれるようなものを作って、なおかつ上からも草とかを置いてあげると良いかな。上も下もたくさん有機物を供給してあげると微生物が動き出す。

___この足柄の土地はまだ再生可能な状態にありますか?

 私は小田原生まれなんですけど、小さいときは田んぼばっかりだった記憶があるんです。今はほとんど宅地になったりデパートができたりして、農地自体がほとんどなくなってきてますよね。
 農地じゃなくなってアスファルトを敷き詰めちゃった場所は、相当なことじゃない限り農地には戻らないと思うんですが、ススキがぼうぼうに生えているような所は、すぐ手を入れれば戻せますね。ススキが生えていればすぐ戻るんじゃないかな。

___ご実家は農業でらっしゃったんですか?

 そうじゃないです。

___農業に携わるきっかけは?

 一番最初、自分が生きているのは食べ物を作っている人がいるからというのに気づいたのが高校生のときで、それで農業のほうに進もうと思って。進学はしたんですけど卒業した後に、有機農業をやっている人たちを周る旅を友人数人と関東から九州の方まで周って、そのときに九州で農業されてる女性2人の方に会って、「鍬と鎌さえあればいつでも資本金がなくても始められるんだから、戻って始めたら」って言われて。 その方の影響もすごくあって、 それが引き金というか・・・

___確かに農業って原点ですよね。

 でもあまり何も考えずに始めたような気もするんですけどね。

___旅先で、逆に足柄地域の活動に触れたとか?

 広島の有機農家に行った時、『あしがら農の会』って知ってる?って言われて。でも私はぜんぜん知らなくて。旅から戻って『農の会』のことを知って、今は『農の会』のメンバーとしてやっています。

___ 『あしがら農の会』は、どうゆう活動をされる会なのかしら?

 『田んぼの会』っていうのがあって、今100家族以上が足柄地域で田んぼをしています。何箇所も田んぼがあって、みんなそれぞれやり方も違えば構成してるメンバーの仕事もぜんぜん違うような人たちが、それぞれやっています。
 それ以外に、今私がやっている有機野菜とかお肉とか卵の宅配っていうのと、5月にはお茶摘みもやっています。それは年間通して摘む人たちが草刈からお茶畑の管理からして、5月に自分たちが飲むお茶を手摘みで摘もうっていうことですね。
 あと2月にお味噌を仕込んだんですが、『田んぼの会』で採れたお米で麹を仕込んで。大豆も去年からみんなで作り始めたんですが、大豆を栽培して自給用のお味噌を1年間分作るっていうようなこともしています。

___自給、ということが一つのテーマ?

 そうですね、「地場・旬・自給」を掲げています。
(つづく)


21:50:00 | milkyshadows | |
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