Complete text -- "『mama’s hug 』"

03 June

『mama’s hug 』

journal & report [1/2] 
チャイルドボディワーカー / 山本 加世 さん


___「チャイルドボディーワーカー」というと、どのような活動をされているんですか?

 「ベビーマッサージ」と言うと分かりやすいと思います。
 ただ、ベビーマッサージって、離乳食を過ぎた辺りから皆さん止めてしまうんですよ。そうではなくて子供の間だったらずっと続けて欲しいと思って、「チャイルドボディー」という名前にしました。
 教室を開いてお母さんたちに来てもらって、ベビーの場合は「ベビーマッサージ」、歩き回るようになって幼稚園に入るくらいだと「キッズマッサージ」とか「キッズエクササイズ」とかと言う講習会をしています。

___チームの名前「 mama’s hug (ママズ・ハグ)」には、どのような想いが込められているんですか?

 一番最初、娘が生まれて、やはり赤ちゃんを抱きしめる時の幸せ感、まず赤ちゃんを幸せにしたいなと、「ベビーハグ」と名前を付けようかなと思ってたんです。
 だけど、やっぱり何百人のお母さんと会ううちに、お母さんにこそハグが必要で、お母さんの笑顔だったり安心感というものが必要なんだなと思ったんです。
 昔の家庭では「お母ちゃんさえ笑っていれば家族は円満」と言った。そういう意味から、お母さんたちを抱きしめたいな、私も抱きしめられたいな、という理由でこのチーム名にしました。

___名刺のイラストも可愛いですね。

 そうですね。
 うちのイラストレーターに「どういったコンセプトでやっていくんですか?」と言われた時に、私は「いつでもあなたの椅子とあなただけの時間を用意するので来てください」という理由を言いましたら、彼女がいろんな椅子を幾つも描いてきてくれて、これは自分のイメージとピッタリ合ったんです。
 お金持ちでも貧乏でも、満たされていても満たされていなくても、どんな状態でも「この時間だけはあなただけの時間がある」という理由でこの絵にしました。

___素敵なコンセプトですね。いつ頃からそういう活動を始めたんですか?

 娘が4歳なので、4年前。娘が3ヶ月の時にこの資格を取りました。

___出産がきっかけだった?

 大きなきっかけです。
 本当は「子供の為にこの資格を取りました」と言うのが聞こえが良いんですが、私も子供だったので、夜泣きしたらどうしようとか、この子をぶっちゃったらどうしようとか、そんなのがきっかけでした。
 「泣かない育児ってどうするんだろう」って 本屋を巡って、カリスマベビーシッターの本を探していたら、たまたま手にしたのがベビーマッサージの本。
 生まれるまでは時間があるからそれを読んで、生まれてすぐ母子同室なった時にやったんです。単純なんですけど、ものすごく可愛くなって、夜泣きもないし成長もすごく早いし、他の人に比べると育児も楽と言うか楽しかった。
 じゃぁ単純だけど「他の人もどう?」って、おすそ分け程度に資格を取ったんです。
 食べ物の仕事をやっていたけど、この仕事は自分の天職だなって思いました。子供はどんどん成長していくけども、この仕事をやっていく限り一生赤ちゃんを触っていられるんだと思うと、これは幸せな仕事だなって思います。

___どちらかと言うと子供は苦手だったとおっしゃっていましたが。

 以前は、ウルサイ子供には般若のような顔で、親に見つからないように睨み付けてたくらいでしたけど、今は何やっても可愛いと思う。
 もしかしたらまだそういった憎たらしい子に当たってないのかもしれないですね。今のところ。(笑)

___ベビーマッサージって具体的にどういったことをするんですか?

 マッサージって言うとツボを押したり心臓にそってやることが多いのですが、ベビーマッサージは毛の上を触れるか触れないか、本当に触るだけのマッサージです。

___何か訓練は必要なんですか?

 やっぱり触り方だったり、体の構造だったり、そういったものの勉強をします。
 あと精神面はすごく勉強します。赤ちゃんの精神面というよりも、触る側の精神面の勉強ですね。自分がざわついていると、赤ちゃんは泣きます。

___講習会ではどんなお話をされるんですか?

 日本のお母さんたちは、私と正反対で真面目なんですよね(笑)。
 特に受験世代のお母さんたちは、マニュアルとか約束事をとてもよく守られている。ベビーマッサージを、「本に書かれている通りにやらないといけないんじゃないか」とか、赤ちゃんが泣いちゃったら「私のやり方が間違っているんじゃないか」って。
 その中で、「今日全部覚えなくて良いです。触ること楽しんで下さい」と言う話をします。

___お母さん方の心のケアみたいな感じですね。

 そうですね。最初はベビーに重点を置いて、やっていくうちにお母さんの方に重点を置き始めましたね。
 私もまだ子育て中なので育児のプロではないんですが、私たちの世代は「抱き癖がつく」と言われて育ったんですね。今は母子手帳に「抱き癖なんてない」って書いてあります。
 私たちの頃のお母さんたちって「労働源」って言うところがあって、アメリカから「触らない育児」というのが伝わった。添い寝をしちゃいけないとか。
 そうして、触られないお母さんたちが増えた。自分の子供は単純に可愛い。だけど触り方が分からない、愛し方が分からない。自分もそのうちの一人だったと思うんですね。私は両親から抱かれて愛情を注がれて育ってきましたけど、近所に子供がいないからどうやって触れて良いか分からない。
 親に育てられている、それがまだ終了していないお母さんたちがいっぱいいる。だから、そういったお母さんたちは、触ると抱きついてくるとか、ただ泣きたかったりとか、抱きしめられたいとか。全てではないですが、がそういったお母さんがいたのは事実です。

___活動のメインは講習会ですか?

 講習会の他に、多くの人にと言うことで企業とかにお願いをして、絵本的なものを今企画してやっています。教本という形ではなくて、産院とかで寝ながらでもパッと見て分かるような。
 一人で動くには限りがあるので、これを見て自分がベビーマッサージを覚えたいとか、インストラクターになりたいとか、そういった人がどんどん増えてくれれば良いなと思います。

___その絵本はどこで見ることが出来ますか?

 今年の9月か10月が目処なんですが、自然化粧品のお店とかで目につくと思います。

___楽しみですね。

 名刺の絵を描いてくれたうちのスタッフが描いてくれて、本当に優しいんです。
(つづく)


21:50:00 | milkyshadows | |
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