Archive for 06 May 2007
06 May
「海の思想」
呼吸のリズム
___海の波の回数は、人間の呼吸の周期に近いんですってね。
日常であれほどゆっくり呼吸するのは、なかなか出来ないですよね。
現代社会では、早く呼吸することを求められる。早足で歩くことを求められるから、その期待に応えるように、だんだん呼吸も早くなっていって、吐き出すのが少なくなって、溜まっちゃうんですね。
___ それに気づいたら、自発的に改善するコツがあるかしら?
自分の呼吸を意識することも、ひとつのコツかな。
私、作業中に息を止める癖があって、最近は作業が一段落したときに深呼吸するようにしてる。酸欠になればなるほど、妙にトランスに入ってくみたいなところもあって、その呼吸が作品のリズムになってくる。
___呼吸のリズムと言えば、海の波の回数が呼吸と近いから同調していくように、石にも波動があるんですよね。
そうですね。波にさざ波があったり大きな波があったりするように、石にも、形によって色によって違ういろいろな種類のリズムがありますね。
___石に触れるといろいろな感覚を感じるということは、やっぱり人は何処かでそういうことを感じるセンサーがあるということなのでしょうか?
情報は受け取っていると思います。意識のあるなしに関係なく。
例えば、ゆっくりおおらかに過ごしたいのに周りの環境はそうではないという時に、ゆっくりおおらかな感覚のする石を自然に手に取っちゃう。それで、その石を握ってるとなんとなくリラックスする感じがする。
自分を創る力
___潜在意識で先に気づいているんですね?
はい。だから、石を直感で選んでもらうのは、今自分にどんな石が必要なのか潜在的に答えがあるからこそ、そこを手がかりに石を選んで欲しいからなんです。
潜在的なパワーや、自分を創っていく力って、本当に凄いですね。
___ 自分を創っていく力。。
はい。創造力。明日の自分を創っていく力。だから、癒しも、その創造力の一部分ですよね。
___たしかに「癒し」と「創造」は、そこで起こる出来事が同じドラマだと思います。
そうなんです。
古いものが片付いたとたんに、ドアがバーンと開いて新しいものがバーッと入ってくるのは、ほとんど同時に起きてきますよね。だから「癒す」というのはドアの前の荷物を片付けることで、片付いてドアが開けば新しい出会いやお金の流れだとかワーッと自然に入ってきちゃう。
お金持ちになりたいとか、ビジネスを成功させたいと言うのなら、最終的に、流れを止めているドアの前の荷物を片付けなくちゃいけない羽目になる。で、片付けると新しいものが始まる。
海の思想
___ところで、3年前のコラム『SoulBeauty』について聞かせてください。
「そもそも“美”は、衣食住に対してどういう位置づけなんだろう?」という問いから始まったのですが、書いていていかがでしたか?
今読み返すと、よくまとまってると思う。びっくりするくらい。
ある石をお客さんが見つけて「あぁ綺麗」って言う時に、そのお客さんも綺麗なんですよね。石とお客さんと両方が綺麗だ、って思って。
あのコラムでは、そういう日々感じているけど言葉になっていなかった事をまとめさせてもらったって感じです。
___書きながら気づいた事も多かったですよね。
テーマ毎にそこから引き起こされるものもあって、「海の思想」がそうでした。それがキッカケになって、ひとつのまとまりのあるものがそこから触発されて、それが今すごく大事になっている。
___「海の思想」がピンと来たのは、どういう部分だったのですか?
アクアマリンという、「海の女神」と呼ばれている石があるんです。
海って何でも受け入れちゃうでしょ。その中に魚も住めば、船が行ったり来たりもしてて、ダイバーがその中を泳ぐし、大型タンカーが座礁しても、それすらも海は「どうぞ」みたいな。そういう存在って凄いと思う。
川のように上から下に流れるわけでもなく、すべてを内包してる。
海と女神性のつながりを、あのコラムであらためて確認しました。
___すべてが繫がっている。
たぶん空気もそうなんだと思うんだけど、地球の裏側までずっと空気だから繫がってるんだけど、あんまり実態がないから意識できない。海っていうのは、命のつながりをもっと理解しやすいかな。
___母性とも繫がりますよね。生命を育んだ海。
そうですね。「母なる地球」って言うけど、「父なる地球」って表現はない。すべてを受け入れる、って母性っぽいですね。
___どうして「父なる地球」って言わないんでしょうね?(笑)
ね(笑)。命を自分の中に宿す、という感覚は「母」っぽいよね。そこがとっても重要なんだと思う。
自分の中にはヒーラーや神はいないと思っちゃうのがそもそも間違いで、自分の中に答えも、創っていく部分も、癒していく部分も、全部その力はあるんですよね。自分の命をまるごと受け入れる感覚からスタートする。
___ 例えば、宇宙船が地球から離れて遠くまで飛ぶためにそれなりの体裁を整える必要があるように、男性性っていうのは、一旦宇宙のリズムから切り離された合理性があると思う。それが良さで、種という形にして遠くまで運ぶ。
多分、感覚的なシステムとか、身体やホルモンのシステムが違うんでしょうね。 それ故、すごく大きな仕事が出来る力になる。
___きっと今の時代は、着陸地点を求めてるのかも知れないですね。 運ばれた種が着陸して、母性的なエネルギーでそこからまた新しい次の芽が開いていくという。
宇宙船に例えるとしたら、外からエネルギーを入れないと走らない宇宙船だったのが 自分の中で燃料を創り出せるタイプに変わる時なんじゃないかな。
___環境問題も、きっと突破口はその辺ですね。
そうだと思う。外側から入れて外のものを食べ尽すというスタイルじゃなくて、自分の内側のエンジンや燃料が働いて循環していくシステムになっていくんじゃないかな、人間も。
___それは、気づけばできるでしょうか?
もちろんです! 本来、そうした方が、たぶん気持ちイイ。
初めて自転車に乗るときみたいなんだと思う。最初は乗り方が分からなくて転んだりするけど、乗ったら「ナンだ、こんな簡単♪」って感じ。
___人類が初めて二本足で歩いた瞬間もそうだったかも知れないですね。きっと周りはびっくりしただろうし。
赤ちゃんが歩く時、どうして歩きたいと思うかと言うと、お母さんが喜ぶからじゃなくて、 別な目線で見られるとか 好奇心の方がメインなんですって。ハイハイで床に近い目線だったのが、ちょっと高い所から見ると世界が広がる。
___自発的な動機なんですね。
例えば好きなぬいぐるみがあって、そこに行くまでに、今までのハイハイで行った方が絶対早く取れるのに、 あえて難しい作業なのに立って行こうとする。 もちろん、 お母さんが喜んだ方が早くマスターするらしいんだけど。
だから勇気あるんだよ!やっぱり。未知の方へ、本能が自然とかりたてる。
___勇気、ありますよねぇ!しかも、そういうことに気づくというのは、プログラムされたかのような奇跡ですよね。
うんうん、奇跡!
勇気はね、プログラムされてるんだよね。誰にも、もれなく!(笑)選ばれた人だけが持つものではなくってね!
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