Archive for 13 May 2007
13 May
「自由」と「宇宙」
journal & report [2/2]
ナチュラル・ヒーラー / MAX さん
ナチュラル・ヒーラー / MAX さん
「自由」という意味
僕が伝えたいのは「自由」なんです。完全な自由っていうのは、この世の中で身体を持っている以上、実現は出来ないんですが、それでもいいんです。ところが「自由」という意味を、困ったことに皆さんが知らない。
実は、「自由」という言葉は最近の日本語なんです。明治維新の頃に、福沢諭吉さんが作った。「これから英語を教えなきゃいけない」と辞書をつくった時に「freedom / liberty」に該当する日本語がないので、彼が中国の漢文にあった「自由」を当てはめた。
けれど、先日ジャーナリストの方とも話したのですが、これは誤訳だと思うんです。
西洋の「freedom / liberty」って、意識が外に向いている。例えば、肉体からの自由、会社からの自由、「free from 〜」何々からの自由、って。
これは、本当はあり得ないんです。
さて、この「自由」は本来どういう意味かと言うと、それが「宇宙」の存在、って話と繋がるんです。
このことは、なかなかアメリカ人には説明し難いのですが、かえって日本の人には説明しやすい。
「自由」の「自」は「自分」の「自」ですね。
ポイントは、この「由」という字なんですよ! 「由」にサンズイ(氵)をつけると「油」ですよね。お水が入った容器があって、その容器に入った液体が「油」なんです。
では、このサンズイ(氵)を取るとすると、この中の水も取ります。すると「空の器」なんです。空っぽの状態なんです。自分を空っぽにすることなんです、「自由」というのは。
だから、何々からの自由、というのはあり得ないんです。逆に言うと、自分の執着心を取り除くとか、自分を空にすること、それが「自由」という意味なんです。
「由」は中国では、「源」を意味します。エネルギー源、源泉のことなんです。
ところが、みんなは「エネルギー」ばっかり気にして「源」には注目しない。オーラのことばっかり話題になるけど、そんなのどうでも良いんです。自然に出てくるものなんだから。
それよりも、大切なのは「源泉が自分の中にある」と気づくことなんです。それは何かと言えば「空っぽ」なんです。
空のコップ
コップって、空じゃなきゃ使えないんですね。空で初めて役に立つ。
よくみなさんが「私、いっぱいいっぱいだから」って表現する。いっぱいいっぱいだったら、もう入ってこないですよね。空じゃないと、必要なものも飲めない。
どんなにキレイな湧き水も、欲張って取っておけば、一週間後にはカビが生えます。でもそれに執着して、そのまま次に必要なものを飲むとする。そうすると、腐ったお水と新しいお水が混ざって、それを飲んだら当然病気になりますよね。それが今の現代人のあり方なんです。空っぽに出来ないんです。手放せないでいる状態なんです。
本当は、捨てることは簡単なんです。ガバッとこぼしちゃえばいいわけなんですから。飲み干しちゃえばいいわけなんです。
ところが今の社会はモノが溢れているから、得ることの方が逆に簡単なように感じてしまって、捨てることの方が大変になってしまう。
例えば、今トマトジュースが欲しいと言えば、誰かが車のエンジンをスタートさせて、ガソリン代と時間を使って、スーパーマーケットに行ってお金を払って買って来て、また、そのトマトもどこかで収穫されたものが入って来る。。
得ることってすごく大変なんです。
「宇宙」について
空っぽになった状態、これが、僕が言おうとしている「宇宙」なんです。
「宇宙」という字。ウ冠(宀)は「空間」を意味するんです。「家」とか。「宇」も「宙」もそう。
「宇」の字の「于」は「刀」の意味で、大きな刀を空間に入れて、宇宙の大きさを表すものなんです。
じゃ「宙」の字は何だろう、と言うと「自由」の「由」がありますよね。これは空間に「由」を持っていることなんです。それは何か、と言うと「空っぽの器」なんです。「源泉」なんです。
つまり、人が自由になったら、このエネルギーは無尽蔵に、尽きることなく湧き出流るものなんです。または、外から受けると言うのも良いですよ、器なんだから。どんどん入ってくる、必要なものが。
空っぽになることの大切さ、つまり源泉を持ってるのが「宇宙」で、それが自分の中にあるんだよ、っていうことなんです。
ところが、今の人たちはどうしても頭で考えて、身体で感じることを忘れていってしまうんです。物質世界から離れたつもりの精神世界の人たちは、難しい言葉を並べて複雑化してしまって、余計に苦しんじゃっている。
「そうじゃないんだよ」って戻して行きたい。
宇宙の中のものはすべて物質なんです。で、物質でいいわけなんです。オーラの色がどうしたこうしたとか、前世とか高級霊とか、そういうことは全く必要ない。自由になれば、自分に必要なものが自然となってどんどん湧いてくるし、それは自分の中にある。
繰り返すこと
じゃぁ「自由」ってどういうことなのかと言えば、人の生き方の問題なんです。
まず体で感じることなんです。身体で感じて、頭で考える、そして、体で行動する。それを繰り返せばいいんです。
そしてまた、その結果に感じる。体は正直だから感じるんです。その感じることを忘れない。そしてまたそこから考える。そしてまた行動する。
これを「reaction / リアクション」と言うんです。「re」繰り返す、「action」行動。
これ、 実は、宇宙の始まりが「リアクション」なんです。「リアクション」というのは「核融合反応」のことなんですよ。
宇宙って、始まったとき水素とヘリウムしかなかった。その水素とヘリウムの核融合反応から宇宙が始まった。水素とヘリウムが核融合反応を起こしたことで、いっぱいの物質が生まれたんです。
宇宙が生まれた時は、星が一個もなかったわけですよね。宇宙空間が「リアクション」とともに「インフレーション」というのを起こして、宇宙が膨張して、小さかった宇宙がブワァーッと大きくなって行くわけなんだけど、もともと何もない真空じゃなくて、物質でいっぱい満たされていた。そこに星が生まれるわけなんです。
この「リアクション / 核融合反応」で、星が生まれ、星が死ぬ。そして、爆発してまた新しい物質が生まれる。そしてまた星が進化する。宇宙はその繰り返しなんです。
今、星が爆発することを「死ぬ」って言ったけど、この「死ぬ」ってことをみんな怖れちゃうんです。解らないから。
解らないから素晴らしいのに、解らないことに怖れを抱いてしまう。死ぬってことは、終わりじゃないんですよね。
星も、爆発して終わるんだけど、ひとつの星からブラックホールと星間物質と呼ばれる物質たちに大きく分かれて行くんです。そして、ここからまた新しい星たちがいっぱい生まれて、進化をしていくわけなんですね。(ブラックホールからまた新しい宇宙が生まれるというのが、最新の宇宙理論なんですが。)
これ、素晴らしいことなんですよ!「死ぬ」って。つまり「進化」なんです。
ひとつの星から、いっぱいになる。
解らない
だから人間も同じなんです。
僕たちは、未来のことって解らないでしょ。10年後の自分、明日の自分、予想はある程度つくけど、裏切られますよね。分かった気になちゃう。知ったかぶりしちゃうんです。知らなくていいのに。(笑)
第三者が断定することなんて出来ないですよ。「あなたはそうですよ、こうですよ」と占い師に頼る必要なんて全く無い。
ほとんど解らない人生で、ひとつだけしっかり解っていることは、「死ぬ」ことです。それは、神からの(一つの人生で)最後の贈り物なんです。だからこれは怖いことじゃない、素晴らしいことなんです、ご褒美なんです。
解らないことが素晴らしい、というのが「wonderful」という言葉なんです。解かっちゃったらつまらない。
あとは、その人次第です。その人自身が感じることしかないんです。僕と同じように見えているか解らないし、解らないでいいんです。
人間って、解らないと不安になってしまう。知らないと怖れちゃう。
だから宗教が必要だったのでしょう。宗教は「こうだよ、ああだよ」って、人間を不安から救おうとする。
ある時までは、それで良かったと思う。
日本がきた道
日本を離れてみてよく分かるのが、「何も無い」ことを日本は一回体験した、ということです。
62年前に原爆が2つ落ちて敗戦を迎えて、その時は何も無い、まさに強制的にコップが空っぽになっちゃったんです。洋服もない、お金も無い、価値観も全部なんにも無い。
でも62年も経たずに、こんなに見事に復活してるんです。そんな国、ないですよ。世界で最も豊かな国のひとつになってる。
ドイツも同じように戦争に負けたんだけど、西と東に分かれましたよね。『ベルリンの壁』があって、若者たちは命までかけて、それを越えようとした。
で、ある時『ベルリンの壁』がなくなり、国が統一するという意識改革、大きなイベントがあったんですね。
日本にはそれがなかった。そのまま今の状態があるわけなんです。 戦後焼け野原からずっと続いたものの、どこにもターニングポイントがなかった。
「我慢」「辛抱」って、ずーっとそのまま言われ続けてきちゃった。
明治維新だって、つい最近の話です。1868年ですから、宇宙の138億年の中で200年も経ってない。
その頃の日本も、まだやっぱり「自由」って言えなかった。
何故かと言うと、列強が来るから。日本が刀を取ってちょんまげ取って、西洋に追いつけ追い越せ、なんとか彼らに乗っ取られないように、日本が日本としていられるように守ってってきた。グローバル化って、その時から始まったんです。 今始まったわけじゃない。
その時も、「とりあえず今は頑張ろう!」ということで頑張ってきた。そして日清日露、第一次世界大戦と勝ち続けてきたけど、第二次世界大戦でドンと負けて、やっぱりもう一度「頑張れ!頑張れ!頑張れ!」になってきたわけです。
そして、そのうちに「頑張れ」の本当の意味を忘れてしまった。
だから、どこかで意識的に、自分たちが戦争の焼け野原から変わったんだっていうことを感じなきゃいけないと思う。
辛抱って、もたないでしょ? 疲れちゃうし。それが、今の日本だと思う。みんなが「もうダメ」って言う。身体が訴えて、心が訴えて。
今、もう一度見つめ直す時というのかな。気づく時だと思います。でないと、手遅れになっちゃう。
日本は素晴らしいと思いますよ。
この複雑な地形、気候、豊かな生態系があるじゃないですか。美味しいものが豊富で(笑)。多様な、いっぱいのものがあるんです。こんなに多様な豊かさを持った国ってないですよ。
だから再生できたと思うんです。国土も人間も。
先ほど話をしたように、いっぱいの物が生まれた所から宇宙が始まったとすると、日本というのは宇宙そのものが凝縮してるような所かなと思います。
___再生は可能でしょうか?
もちろん! 間違いなく!
一人一人が輝く星になって欲しい。星って一人で生まれないんです。いっぱいで生まれるんですよ。同じように、一人が輝くといっぱい引き寄せられる。一人が輝くと多くの人ががバッと輝くんですよね。
もしも、この小田原でもと佳さんが輝いたら、一週間後にはもう100人くらいになっていて、小田原の市内は一ヶ月くらいあればみんな輝くようになる(笑)そうすると日本全国が輝くのは一年かからないんじゃないな。
それを僕は信じたいなぁ。
___そう考えるとワクワクしますね。種を蒔いていきたいです。
今ココが宇宙であること、その日本をもう一度見て欲しい。それは、自分を感じることにつながりますからね。