Archive for 29 June 2008
29 June
「海へ」
私が取材にお邪魔した時、木村さんは、目の前でひとつ実験を見せてくれました。
洗剤をまったく使わないで 油汚れを落とす実験です。
用意したのは、真っ白なピカピカのお皿と、マジックのペン。
木村さんは、その真っ白なお皿に、グリグリとマジックで落書きを始めたんです。
そして、
「これでこすってみて」と言って手渡されたのは、消しゴムでした。
それこそ、どこにでもあるフツーの消しゴムでしたが、
それでゴシゴシとやると、マジックの落書きはキレイに落ちるんです!
さらに、
「そのままだと力も必要だし、消しゴムのカスも出るから」と、
今度は、その消しゴムをコップの水にポチャンと濡らしたんです。
さて、濡らしたゴムで、油汚れをこするとどうなるか、、
是非、みなさんも一度お試しになってみて下さい。
本当にビックリするくらい、キレイに スッキリ、油汚れが落ちちゃうんです!
洗剤をまったく使わないで 油汚れを落とす実験です。
用意したのは、真っ白なピカピカのお皿と、マジックのペン。
木村さんは、その真っ白なお皿に、グリグリとマジックで落書きを始めたんです。
そして、
「これでこすってみて」と言って手渡されたのは、消しゴムでした。
それこそ、どこにでもあるフツーの消しゴムでしたが、
それでゴシゴシとやると、マジックの落書きはキレイに落ちるんです!
さらに、
「そのままだと力も必要だし、消しゴムのカスも出るから」と、
今度は、その消しゴムをコップの水にポチャンと濡らしたんです。
さて、濡らしたゴムで、油汚れをこするとどうなるか、、
是非、みなさんも一度お試しになってみて下さい。
本当にビックリするくらい、キレイに スッキリ、油汚れが落ちちゃうんです!
___あ、本当だ! キレイに落ちるんですね!
はい。
ここに存在するのは、ゴムと水。ゴムは相手を傷つけるほどの硬さはありませんが、汚れを吸い付ける力がある。摩擦の力で汚れは水の中に漂うんです。漂った汚れがこちらに吸着する。だから、如何に汚れとお皿の接着よりも強い吸着力を示させるか、なんです。そこで、ゴムです。ゴムだと繰り返し使えるし。
___そんな原始的なことで汚れは落ちるんですね。化学製品はいらないですね。
いらないらない。
みんなTVとかで「洗剤を使わないと汚れが落ちない」って頭の中に思い込まされているので、その思い込みを取ってあげる。
___これはビックリしますね!
30年近く前に、この技術は出来上がっていたんです。
___ 「海へ」という洗剤の理論も、かなり斬新ですね。
「汚れの正体は何か?」って考えたら、水に溶ける汚れ、油を含んだ汚れ、それからあと一つちょっと違って、染めるっていう汚れ、この3つに別れるんです。で、一番困っているのは油汚れなんです。この油汚れの最大のものが、タンカー事故で出たオイルじゃないですか。この処理を自然界の環境中で出来るようにしていけば、全ての問題は解決できる訳です。この一番大きな問題に取り組んで、考えて行ったら、洗濯用や台所用の洗剤が出来たということです。
「暮らし」というものがあって、その「暮らし」の積み重ねで地球規模の環境汚染になるのであれば、最初から規模の大きい汚染を対象にして、その解決を考えれば「暮らし」に応用が出来る。そういう発想で作っていったんです。
___タンカー事故の時は、その処理の研究に携わったんですか?
いや。事故がある度に自衛隊や大学のチームが出動する訳で、いろいろな研究機関を見つけるのが自分の仕事なんです。どうやって海洋タンカーの事故を処理してるのかなぁ、って。
自分たちから見たら、オイルフェンスを張ったり、汲み取ったり、いろいろやっているでしょ? あれを大きなお皿だと思ってさ。(笑)あれは家庭では使えないような薬品も応急処置で使ってたりするんだけど、危なくないものを使って油を処理できれば良いなって、いろいろヒントを頂きながら、後は、勉強をたっぷりしたので「お願いしまぁす!」って神様に投げて、返って来た。(笑)
「地球に優しい」は、「人間に優しい」でしかない。
だから、二酸化炭素が増えちゃいけない理由は無いんだよ。(笑)
だから、二酸化炭素が増えちゃいけない理由は無いんだよ。(笑)
洗剤や石鹸って、原料は何? 油だよね。お皿に残ってるのは何? 油だよね。これ、お皿から洗剤を作るんです。お皿に原料がある訳だから、反応させて洗剤に変えちゃうの。襟に油が付いてる訳。それを洗剤にすれば良いでしょ。
洗剤を作ったんじゃなくて、洗剤にするものを作ったんです。普通はあり得ないんだけど、あり得ない普通のものを工夫して作った。普通の発想では、完全なる洗剤というものを作りあげて、お皿や襟から汚れというものを引きはがして溶かそうとする。でも、洗剤の原料の油がここにあるんだったら、それを利用して洗剤を作っちゃえば、余分なもの要らないじゃん。それは普通、強力な酸性剤や強力なアルカリ剤がなかったら難しいんだけど。
___これは一回使うと、みんなビックリするんですよね!
ビックリするねぇ。考えられない。中に入っている洗浄成分の100倍の量の油を処理するんですよ。異常ですよ。
普通の洗剤って、油を処理できないんですよ。油って、洗剤の粒子より細かいの。細かいものだから、取り囲んでも間から逃げて行っちゃうの。で、間から逃げないようにするには、ギッシリ詰め込まなきゃいけないって思うんですよ、みんな。ギッシリ詰め込んでも、小田原城の石垣にも隙間があるように、隙間から逃げていくんですよ。(笑)だから、量を増やしても逃げるものは逃げるんです。
洗剤自身を油とほぼ同じくらいの粒子の大きさにすると、軽くて俊敏な動きをする子が出来るんです。そうるすと、その子が“油ちゃん”の周りを、まぁ俺の発想だからね、風を切りながらビュンビュン回る訳。(笑)「かごめかごめの法則」とか呼ばれてるんだけど、隙間だらけなのに出れないのよ。(笑)
“油ちゃん”は、ものすごく地縁血族を大事にする子たちで、油を含んだものとすぐくっつく。自分と同じものだったら余計、もの凄い吸引力で、ラブラブになっちゃう。(笑)だから、ラブラブにならないように高速で周りをピューンってやってると、“油ちゃん”同士は見えてるんだけど、近づこうにも近づけない。
そのうち、ごく小さい油は、微生物が吸収できる大きさになっちゃう。何だってそうだけど、自分の口より大きなアンパンは食べられないでしょ? どんどん小さくして行って、ミキサーにかけてもっと小さくして行ったら、口の中に入ったか入らないか分からないくらいになって、息してるだけで食べちゃったってことになる訳。
___なるほど! 後は微生物に分解してもらうということですね。
まさしく!
それは、特別な微生物を養っている訳じゃなくて、土の中や海や川に普通にいる微生物に食べられ易いようにしているんです。そうすると、まるで呼吸をしているように、勝手に微生物の体内に吸収される。後は、水と二酸化炭素に分解されて行く。
___微生物のためにゴハンを作ってあげるようなものですね。
そうなの。(笑)でも、本来、微生物はそういうもの欲しくないの。無くて良いんだもん。もともと無いんだから。
地中で、地下資源がなぜ眠っているのか?
___あぁ、そうか。要らないから残っている。。
油は、金や銀のように地球にもともと存在していたものじゃないんです。生体内の化合物なんですよ。生物の体の中でしか作られないんです。
___生体というのは、植物のことでしょうか?
そうです。
もちろん今は人間の体の中でも作りますけど、なぜ植物が体の中で油をつくったのか? 名古屋女子大の奥山治美先生っていう食用油の研究者の方に教えてもらったんだけど、植物が氷河期を乗り越えるために、体内に脂肪分を貯めるメカニズムを作っていったんです。そして、その集約が「種」なんです。どんな乾燥や冷凍があっても、一定の適温に達すると発芽するシステムを作りあげて、それを守っているのが「脂肪」なの。
___凄いことですね!
その凄いことを、「汚れ」とか言っちゃダメでしょ。(笑)
___それが蓄積されて、化石燃料になった。
そうそうそう。
別の見方で、物理の法則とかの説明も出来るんだけど、業者の人に変に使われると困るから喋れない。廃油回収業者が燃料に替えてくれるなら良いけど、処理するのにお金が掛かるからと言って、ウチの“洗剤の素ちゃん”を入れて流しちゃったら環境汚染にされちゃうじゃん。
いくら良いものでもたくさんの量を流せば、栄養がいっぱい流れ込む訳だから、当然微生物たちは喜んでゴハンを食べます。彼らの体のキャパは決まっているから、繁殖という形で増えていく訳です。増えていく所に、またその微生物を餌にする者たちが集まって来て、だんだん生態系のバランスが崩れていく。
だから、もともと微生物しかいなかった時代には、油は無かったんです。無いものは、処分できません。後から来たものだから、“微生物ちゃん”たちには誰もその才能が無かったの。だからずっと残ってる。
___じゃぁ、今人間が使ってあげて、地球は良かったのかも知れませんね。(笑)
うん、もともと無くても良かったものだから。
まぁ、それを言い始めると、もともと「酸素」なんてほとんど無かったからね。空が青く見えるのは酸素のせいで、火星のように二酸化炭素に覆われた大気であれば、赤い星なんだよね。地球も赤い星だったの。それで、二酸化炭素を消費して酸素を出す微生物が大繁殖した。餌がいっぱいあるから。で、酸素を出し過ぎて、自分たちの行為によって、ほとんどの種が滅んで行った。そして今、酸素の時代を我々が過ごしているというだけの話です。
だから、二酸化炭素が増えちゃいけない理由は無いんだよ。(笑)「地球に優しい」は、「人間に優しい」でしかない。
___どこかで巧妙にすり替えていますね。
すり替えてる。
ここの存在する自分というものがどこから来たのか、ちゃんと考える。それを検証して行けばいろんなことが見えて来て、そしてこれから自分たちが何をしたら良いのか、どんなことだったら自分たちが居なかったのと同じように消滅できるのか。そういうことだよね。難しく考えなくても、「美しいものを作ろう」「美しい関係を作ろう」、そういうキーワードで「環境」なんて括れちゃうのかもよ。
誰かが得して、誰かが損する。そういうものだってみんなが思い込むほど、俺は抵抗したいよね。ゲリラのように。(笑)
___今日は言葉以上のものをいただいています。
あ、そう?
騙されちゃいけないよ。(笑)
___でも、幸せなものだったら騙されてもいいですよね。(笑)
そう!良い言葉だなぁ。だって、一生騙されていたらそれが真実になるからね。
同じ目玉が付いて同じものを見ていても、意識の中では違っている訳ですから、だったら現実と嘘とはどういう違いがあるのかっていうことになっていくし。
___しかも、誰しもが世界を自分が見たいようにバイアスをかけて見ています。
そうそう。
___どこまで削ぎ落としても、本当の真実には到達出来ないのかも知れませんね。
出来ないでしょう。それはもう神様事の話だから。
必要ないしね。
(つづく)