Complete text -- "「ベビーマッサージ」と「救命救急」"
10 June
「ベビーマッサージ」と「救命救急」
journal & report [2/2]
チャイルドボディワーカー / 山本 加世 さん
チャイルドボディワーカー / 山本 加世 さん
___山本さんの『mama’s hug』では、チャイルドボディーワークのお仕事の他に、救命救急のお仕事をされているそうですね。
自分の子供だけで良ければ「ベビーマッサージ」だけをやっていればいいのですが、どこかで社会と関わっていたい。まだまだ未熟だから褒められたいんですよね。でも実際に仕事となると、子供を朝から晩まで預けてフルタイムで働くしかない。
だったら、もっと子育てが楽しめて、自分も楽しく思える仕事を短時間で出来たら、と思いました。それには組織が必要だな、と。
ボランティアだけやっていては、お給料が払えない。お母さんたちも一緒にワークシェアという形でやるとなったら「やっぱり私が稼がないとなぁ」と起業しようと思いました。
___仕事を作っていく?
私だけが仕事を作るというよりも、ものすごい才能を抱えたお母さんたちがいっぱいいるんですね。
そしたら外部からでも「自分にはこういう仕事が出来ます、こういったところに提案出来ます」と、自分たちで新しいチャンネルが出来る。
私が出来るのは「ベビーマッサージ」と「救命救急」。この他に、ウェブサイトを作れるとか、絵本が作れるとか、経理の講習が出来る、ファイナンシャルプランナーが出来る、そういったお母さんたちが持ち寄りで、『mama’s hug』というおせちの箱に入ってくれれば、その分仕事やチャンネルが増えて、お母さんたちにもステージがちゃんと出来ると言うことですね。
それを私が営業をして、「ベビーマッサージ」の講習会を開いたり「救命救急」の講座を開いたりするんです。
___ どういう所に提案なさるんですか?
「ベビーマッサージ」はベビーが対象なのですが、「救急」というのは看護師さんだけではなくて、命に関わることは全員だと思うんです。
なので、若いうちから命を絶つのではなく、命を守る側になって欲しいと思って、例えば小学校、中学校、高校、そういった所でやってもらえればと営業しています。
___ 「救命救急」には資格が必要なんですか?
「救急」には資格はいらないんです。資格が無くても助けたい気持ちがあればいい。
でも、助けたいと思っても何も思い浮かばなければ助けられない。なので私の仕事は、その助けたいと思った人に、知識と技術と心意気を伝えることなんです。
___どうして「ベビーマッサージ」だけではなくて「救命救急」までウィングを広げたんですか?
まったく別ですよね。両極端で。(笑)
「ベビーマッサージ」の講習会を受けたいという人は、やはり精神面の要因が多いですね。「救急」をやりたいという人は、体を動かすような、即命に関わる、ホテルマンだったり看護師さんだったり。
両方必要だと思うんです。心を守っても、そこに体が存在しなければ意味がないし、体が存在しても心がなければ人間としてつまらない。心と体を守るには「タッチ」と「救急」かな、と。
___ 両方あっての癒しですね。
そうなんです。生きてさえいれば良いっていう考えも勿論あります。ですけど、そこに感情や楽しみが無いとしたら「どうなのかな?」って思います。
___ 山本さんご自身は「救命救急」をどこで学ばれたんですか?
玉川大学のオープンキャンパスで資格を取ったんです。ただ、ものすごく遠いんですよね。
娘がまだ0歳の時でしたから、 長い時間娘と会えなくて、子供のことを思い出すとお乳が張るので、 トイレ休憩の間に搾乳してました。
「これでは普及しないな」と実感して、だったら近場で皆が講習を受けられるように、自分がトレーニングセンターになろうと思ったんです。
___ 小田原で講習会をなさっているのは山本さんだけですか?
もう1件あります。そこは接骨院の方で「成人」をやっています。
私は「小児」と「スポーツ」と「成人」をやっています。
___ それはジャンルが違うんですか?
全部それぞれのインストラクターの資格が必要なんです。
___ 山本さんは3つあるんですか?
4つです。その他に「AED」と言って、心臓が動かなくなった人に電気ショックを与えるんです。「自動体外式除細動器」の略です。
___ 器具がなんですね。
トレーニング機械と実際の物を持っています。
___ 資格を取るのは、時間もお金もかかる?
そうですね、お金も、やっぱり時間もかかります。
何故かと言うと、技術だけの習得だけじゃないんですね。肯定的な「コーチング」が必要なんです。
「救急」って医療のカテゴリーに入りますけど、そこには心の怪我というものもあって、よく「PTSD」って聞くと思います。そういったケアのこともやります。「救急」には必ずそれがついてくるんです。
___ そういう精神的な部分も勉強しなきゃいけないとなると、どのくらいの期間が必要なんですか?
インストラクターの資格を一つ取るのに4日間はかかります。朝から夕方までやってですね。
___ 小田原でもそのプログラムはなさっているんですか?
インストラクターの講習はまだやっていませんが、予定はあります。
資格を取りたいと言うお母さんたちや、普通の人たちの為にも、仲間が増えればその分資格を取得する人も増えるかな、と考えています。
ただ、私はまだインストラクターを育てるお許しが出ていなくて。それには人柄も必要で、もっと上の資格を取らなくてはならないんです。
___ 今は全国あちこちにヘルプへ行かれているそうですね。
はい。大阪とか東京とか大宮などへ行っています。
___ かなりネットワークが広がっている。
自分に才能が無い分、才能のある方が集まってくれるという実感です。しょうがないから手伝おうって。(笑)
ある程度駄目な部分が多い方が、人は良いのかな。(笑)
___ 「ベビーマッサージ」の分野と「救命救急」の分野では、集まる方が違いますか?
違いますね。まったく正反対ですね。「ベビーマッサージ」は殆どお母さんたちなんですけど、「救急」の方は医療関係の人や保育関係の人が多いですね。
でもハッと気づくんです。「命に関係ない人っていないよね」って。
「娘がもし泣いたらどうしよう」とベビーマッサージの資格を取って、そっちが大丈夫になったら「もしこの娘がまばたきしてる間に死んじゃったらどうしよう」なんて思って救急の資格を取って。今度は「もし娘が私のいないところで倒れたり事故したらどうしよう」って。
全部「もしも」から始まることなんですね。じゃぁ誰でも救急の資格を取ってもらえるようにと、インストラクターになろうって思ったんです。
___ どれも子供さんを守ろうという気持ちだったんですね。
そうですね。勿論いざという時は主人も助けますが(笑)。
___ いろいろな方々を繋ぎ合せるポジションにいらっしゃる。
そうですね。お母さん同士を繋げたり、仕事の違う人を繋げたり、そういうことをしたいなと思っています。
___ 今後の活動を楽しみにしています。
ありがとうございます、自分も楽しみにしています。
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