Complete text -- "『Eco Surfer (エコサーファー)』"
05 August
『Eco Surfer (エコサーファー)』
オマエはとにかく海が好きだから
___サーフィンとの出逢いは?
僕は、横須賀生まれ、横須賀育ちなんです。
高校3年の時に担任の先生から「オマエはとにかく海が好きだから、海の大学もあるんだぞ」って言われて、ギリギリ評点も足りるからって、静岡県清水の東海大学海洋学部へ推薦状を書いてくれたんです。
それで、大学1年の時に友達に誘われて波乗りに行ったのが初めてです。
___初サーフィンは静岡の海だったんですね。
そうなんです。最初はショートボードでした。友達の友達から借りて。
親父も海が好きで、小さい頃からボディボードみたいなことを伊豆の海でやっていたので、波をつかまえることには難しさを感じなくて、始めたその日に立てたんです。それで、周りがビックリして。そのビックリされたことが自分でも嬉しくて「コレは面白い!」と(笑)
もうそれから13年間、波乗り中心で僕の生活は動いてます。サーファーってそうなんですよね。今の仕事も、社長には「波乗りが出来るから」って言ってあります。
海の守り方とかサーフィンのスタイルとか、
ビーチカルチャーを学ぶ旅がしたいと思ったんです。
ビーチカルチャーを学ぶ旅がしたいと思ったんです。
___「Eco Surfer(エコサーファー)」というネーミングはユニークですね。
自分の屋号なので、いろいろ考えました。
「環境」と「サーフィン」ということをネーミングから浮かびやすいものにしたくて、辞書で調べて「Environmental Surfer」とか「Green Surfer」とか考えたんですが、長過ぎたりゴロが悪かったりで。
「Eco Surfer(エコサーファー)」というのは単純にリズムが良くて覚えやすいし、直球ですね。
___「エコサーファー」と名乗るようになってからは何年くらいなんですか?
5年弱です。
25歳くらいまでは、普通に土日だけサーフィンして、普通にサラリーマンやって、という毎日でした。ある時、人生このままでいいのかなって真剣に考えて、考え抜いて、その時に「エコサーファー」の軸になるようなものがモヤモヤと浮かび上がったんです。
その時、横須賀から藤沢の会社に通っていたんですけど、辻堂で一人暮らしすることにしたんです。それで、そのモヤモヤの一つのカタチとして「毎朝会社に行く前に必ずビーチクリーンをしよう!」と決めて、その日から、たった15分だけですが、365日のうち320〜330日はビーチクリーンをしました。毎朝、同じ時間に。
でもやっているうちに、だんだん、正直イヤになってきたんです。やってもやってもゴミは減らないし、手伝ってくれる人もいないし。「あれ、、思ったのと違うな、、」って。
それで、「この海の向こうにはアメリカがあるんだな」とか単純に思うようになってきたんです。ハワイとかカリフォルニアとか、サーフィンの盛んな国へ行って、彼らの海の守り方とかサーフィンのスタイルとか、エコロジーも含めてビーチカルチャーを学ぶ一人旅がしたいと思ったんです。
それから一年間、ビーチクリーンをしながら計画をして、お金を貯めて、英語の勉強もちょこちょこして、アメリカに渡りました。
「Eco Surfer(エコサーファー)」という言葉は、向こうへ行って半年くらいの時に出て来ました。ホームページを立ち上げて、アメリカにいる一人の日本男児のサーファーだ、って。それからどんどん太くなって、今に至ります。
サーフィンを通して伝えて行くのが僕らしいと思うし、
経験からきていることなので、自信はあります。
経験からきていることなので、自信はあります。
___webは結構ボリュームがありますね!
いやぁ、歴史があるし、書くことも好きなんです。帰国前から、帰国後のことも、事細かに書いているので。
___小説のようなストーリーで、読み入ってしまいました。
「伝える」という使命を感じているんです。難しい言葉は知らないけど、分かりやすく書くことは得意かも知れないですね。どうしたら伝わるかな、って。
「伝える」と言っても、いろいろなスタイルがあるし、いろいろな人がいる。僕は、一番好きなサーフィンを通して伝えて行くのが僕らしいと思っていて、プロになれるほど上手くはないけど、それでも伝えられることはあると思うし、自分の経験からきていることなので、自信はあります。
___分かりやすく、と言えば、小学生を対象に講座を持ってらっしゃるそうですね?
これも繋がりで、小学校のPTA会長をやってらっしゃる主婦の方からメールを頂いたんです。
小学校6年生の授業で「総合」という科目があって、環境問題を勉強する時間がある。でも、難しいことは知っているけど机上の空論で頭デッカチになっている子供たちがいっぱいいるから、そういう現状に対して、茅ヶ崎のシンボルである「海」で実際に活動している人を探しています、と。
それで、「地域講師というカタチで、子どもたちと一緒にゴミ拾いをしたり、いろいろな話をしてくれませんか?」と言われたんです。
すごく熱心な方で、ビーチクリーンをやって「これはどこから運ばれて来たんだろうね」とか「これで何か作ってみよう!」とか、皆で考える場を作るので是非ゲストで来て欲しいと言われて、「出来ることは協力します」とやり始めました。
他の小学校からもお誘いがあって、今は逗子小学校に年に5回くらい行ってます。
___授業はどんな感じでなさるんですか?
最初は考えましたよ。普通の授業はやりたくないので(笑)。
僕は、波があってもなくてもウェットスウーツを着て波待ちをして子どもたちを待つんです。演出から入るんです。(笑)
やっぱりインパクトを与えたいし、子どもたちにとってヒーローであるべきだと考えたんです。だから、僕はサーファーだからサーファーの格好をして、海で待ち合わせをさせるんです。波のない日が多いんですけど、僕は沖で波待ちをして待っているんです。そこを芝居で「直也さ〜ん」とか「エコサーファ〜」とか皆が呼ぶんです。(笑)
波がない時は困るんですけど、そこで僕がふり返ってスーッと登場するんです。子どもたちにはインパクトありますよね。
___何年生くらいの子どもさんたちなんですか?
最初は6年生でした。今の子どもたちは、3年生の時から4年間つき合ってます。
年によって内容も変えなくちゃいけないということも学んだし、今は少しは柔軟に対応できるかなぁ。。
一人でゴミ拾いをしていた時、
寂しい思いをしたんです。
寂しい思いをしたんです。
___どんな内容をなさるんですか?
もちろんビーチクリーンをするんだけれど、まずゴミ拾いをさせる前に、海岸を散歩している大人たちにわざと声をかけさせるんです。子どもが言えばイヤとは言わないし、茅ヶ崎を好きだったら喜んでやってくれるんです。そうして皆を巻き込んで、「一人じゃなくて、皆と楽しくやろうね」ということを必ずやります。
僕が一人でゴミ拾いをしていた時、寂しい思いをしたんです。みんな僕を見て「あぁゴミ拾いをしてる」と思うんだけど、だいたいの人はそれで終わっちゃう。でも彼らの中には「あぁ良いことやってるなぁ、声かけて手伝いたいな」って思う人がきっといるはずなんですが、その第一歩が出せない人が多い。
だから子どもたちには、「一人でゴミ拾いをするとこれしか拾えないから、皆で拾わない?」って言うんです。皆で拾えば海がどんどんキレイになるじゃん、って。
それで、その後、そのゴミを広げるんです。広げると、その中には持って帰りたいような宝物が必ずあるんです。例えば、ビーチグラスや、桜貝、宝貝。それから、レトロなミニカーだったり。結構いろいろなものが落ちてるんです。それを見せ合うことが、子どもたちには楽しいみたいですね。
だから、ゴミがどこから来たということよりも、まずは楽しんでもらう。スゴイね、って褒めてあげる。皆でやって、それを見せっこする、という流れです。
(つづく)
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