Complete text -- "はじめまして。"

31 March

はじめまして。


photo/furuta

  はじめまして。
『soulbeauty.net 』ナビゲーターの、下田もと佳です。


  私、このたびは、縁あって ラジオのお仕事をさせていただくことになりましたが、ずっと 小田原で、美容師をやってまいりました。もう 随分と やってまいりましたが、いつもいつも、自分の中で考え続けてきたことは、「美容師って何だろう?」ということでした。

  「髪の毛」という言葉がありますが、この言葉の語源を辿ると、「神の気」なんだそうです。
「神様」の「カミ」、あるいは「上」という意味の「カミ」、そして、「気配」とか「気合い」という時の「気」。「髪の毛」は、「カミの気」だというのです。
いにしえの倭人は、髪の毛に、何か神聖なものを感じていたんですね。

  確かに 髪の毛は、現代人にとっても、特別な役割を担っているように思います。
切り整えれば、サッバリするし、ずるずると伸びれば、鬱々としてきます。どうやら 髪の毛は、精神生活を司る アンテナ のような働きをしているかのようです。

  この宇宙は、陰陽のバランスで成り立っている、といいます。
外へ向かって拡散してゆく「陰」のエネルギーと、内へ向かって集中してゆく「陽」のエネルギー。
それは、たとえば呼吸というものが、吸う息と吐く息でループを描くように、その時々の局面で、絶えず姿を変えてゆくものなのでしょう。

  私たちは 誰もが、そういう微細なエネルギーの変化を察知する能力を、生まれながらにして持っていて、そのセンサーのひとつが、たとえば髪の毛だったりするんだと思うんです。

  さて、美容師をやっていますと、当然のことながら、髪型のアドバイスを求められます。
「私、短くしたら似合うかしら?」とか、「少し伸ばしてみようと思うんだけど、変?」とか。
そんな時、私は、似合う似合わない、というのとは別の次元の視点にも、目を向けるようにしています。

  それは、どういうことかと言うと、その時のその人にとっての、居心地の良い長さを探る、ということです。
魂はカタチあるモノに宿りますから、カタチが、居心地よく整えられれば、魂は「ほぉっ」と安心して、本来のリズムで、呼吸を取り戻せるんだと思うんです。

  こんなふうに考えながら、日々仕事をしていると「ヘアカット」という作業は、単に ファッションだとか、身だしなみだとか、造形だとか、そういう次元を超越して、「髪の毛」と言うだけでは済まされない、深ぁい扉がひろがっているように、私は感じています。



  3年前、小田原の街で、あるフリーペーパーにコラムを連載しました。
「ソウル・ビューティー」というコラムでした。

  それは、「美しい」ということについて、毎日の仕事の中で、気づくことや、感じることなどを、出来るだけ深く見つめ直して、スピリチュアルな視点でつづろうという、実験的な企画でした。

  「美」という切り口は、魂や 環境に対して、どこまで有効なんだろう?
そういう、挑戦だったんです。

  コラムは、1年間の連載の後、フリーペーパーの休刊をもって 終了しましたが、今、こうして、あらたなステージで、チャレンジを再開することが出来ました。



15:00:00 | milkyshadows | |
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