Complete text -- "Moon Glow"
23 September
Moon Glow
ところで、今日は「秋分の日」。
今日を境に、少しづつ、夜が長くなっていく。
月は満ちて来て、
もうすぐ十五夜。
月を見上げる度に、
私は、昔読んだ、アイザック・アシモフの科学エッセイを思い出します。
アシモフは、とてもシンプルな計算で、
月を巡っての、地球と太陽の引力の力を較べています。
それによると、
つまり、私たちの地球は、
月を衛星として取り込むための、太陽との綱引きに負けているんだそうです。
「月は真の衛星でも捕獲された小惑星でもなく、
それ自身が一個の惑星であって、
地球とぴったり歩調を揃えて太陽を公転しているのだと考えてもいいかもしれない。」
〜 『時間と宇宙について』より
私たちの月は、
ほんのわずか条件が整わず、惑星になり損ねたんですね。
月の輝きの神秘さは、
そんな秘められた生い立ちのせいなのかも知れません。
そのことが、
幸せなことだったのか、残念なことだったのか、
それは分かりません。
いづれにしても、
月は、
寡黙で不毛ではあるけれど、
遠く私たちを周回しながら、生命の律動を深く司り、
私たち地球の奇跡は、月とのコラボレートがあればこそ起こり得たのでしょう。
生命を宿す事なく生み分かたれた月。
けれど、それは美しく、
まるで、心を透明にして見つめた時の鏡のように、
目に映る姿だけではなく、私たちの命や魂の輪郭をも投影しているように感じるのです。
豊かな水と光の下で生まれ育ち、
繁栄の中で生を営む事の幸せは尊いけれど、
それは魂の本質のすべてではないような気がします。
魂の来し方行方を、もっと深く遠くまで見渡せるように、
私たちは、200万光年まで届く眼力を授かっているのではないでしょうか。
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